【産業医の実際】第一線で働く現役の専属産業医にインタビューしてきました(前編)

掲載日:

  • 産業医

現役の専属産業医にインタビュー(前編)

株式会社パソナの遠藤 千恵(えんどうちえ)です。この度、私が転職支援としてサポートした先生にご協力いただき、「産業医として働くこと」についてインタビューしてまいりました。
特に、今後産業保健の領域にチャレンジしたい方には参考になることがあるのではないでしょうか。お手すきの際にぜひご覧ください。

 

産業医としての勤務について

パソナ遠藤:先生は割と早い時期から一般企業の専属産業医としてお勤めされていますね?

通常は、臨床研修の後に産業医大に戻るんです。大学で産業医として実務研修プログラムがあり、当初はそれに参加するつもりだったのですが、私、大学卒業後すぐに結婚したんです。 家族を東京に置いていきたくはないし、主人も東京で仕事があったので(大学のある)九州に戻るという選択肢は無かったです。

 

パソナ遠藤:1社目の仕事はご自身で探されたのですか?

産業医大に産業医を募集する求人があったので、一通り目は通しましたけど、求人に「初心者OK」と書いてあっても1年目だと実際は入社が難しいんです。ある程度は産業医の人数がいるような職場で産業保健の歴史があるところが良いと助言をいただき、大きい企業の産業医としてスタートしました

 

パソナ遠藤:入職後にどんな仕事を担当されていましたか?

その企業では仕事の大半が従業員との面談でした。1日を通して面談をしていることが多かったですね。健診の事後措置とかで、空いた時間に巡回に出ることもありましたけど、ほぼ面談でしたね。本当にオフィスワークみたいな感じです。都内に10拠点くらいある支社のビルに保健師さんと一緒に色々と回ったりしました。

 

パソナ遠藤:産業医科大学で学んだことと産業医の勤務にギャップはありませんでしたか?

あんまり無かったんですよね。大学5年生の時に実習で工場に行って現業系の産業医の仕事も体験しましたけど現業系はまず「安全」というのが第一で、労災を起こさないことに力を入れていますので、話すのが好きな私とは違うかなぁ…と。それくらいですかね。指導医の先生にも丁寧に指導していただけましたし、人間関係にも恵まれて、「あぁ…産業医っていいなぁ」って感じながら仕事していましたね。

 

パソナ遠藤:産業医の勤務で困ったことはありましたか?他の産業医の方と接点が無くて相談もできないという先生もいらっしゃるようですが…。

私の場合は最初の職場もそうでしたし、嘱託産業医で何件かバイトもしてきましたけど、どこかしらにコネクションが常にあってそこまでやり方に困ったことはなかったですね。

 

パソナ遠藤:嘱託産業医の話が出たのでお伺いしたいのですが、「嘱託産業医」と「専属産業医」の働き方は実際どう違うのでしょうか?

嘱託産業医のバイトで行っているところは企業規模が小さいところが多いですね。経営層との距離が近いこともあるのですが、そこまで産業保健という福利厚生に力を入れようと考えているところは少なくて最低限なことしか求められないことが多い。「もっとここを改善したほうがいい」と思うことがあっても、そこに介入するには時間がかかってしまうんです。法令順守に重きを置きながら、「あとは(企業の)ご希望に沿えるようにやります」 という感じになってしまう。意外に思われるかもしれませんが、大きい会社の専属産業医として経営層の方たちに改善をアピールしていく方がやりやすいですね。

 

パソナ遠藤:それは確かに意外ですね。大きい企業の方が小回りが利かないのかと…。

産業保健に力を入れていくとなると私たち産業医にちゃんと意見を求めてくれますし、意見を言う場を用意してもらえるんです。だから、専属産業医の方がやりやすいですよね。その2つでは関わり方が違う、別物ですね。嘱託産業医に携わるのはライフステージに合わせて選ぶべきなんだなと思います。

 

産業医としての今後のキャリアプラン

パソナ遠藤:今後、産業医として先生はどういう風にキャリアを積んでいきたいとお考えですか

ミャンマーで医師として働いていたことがあるのですが、それからは「渡航医学」に興味を持っているんです。英語で仕事をするという場面もありましたし、子供もインターナショナルスクールに行ってたりもして英語に触れあう機会も多いんです。世の中の時代背景的にも結構そういう需要もあるかなぁと思ってて、海外で働きたいんですよね。とにかく海外は働きやすい。自由なんですよね。

 

パソナ遠藤:夢が大きくてホントすごいですね。
最後に、これから産業医として働こうとする先生方に応援のメッセージをいただけますか?

それぞれの得意分野をお持ちだと思うのですが、どの分野でも活かす方法が、きっとあると思うんです。産業保健と臨床とは大幅に違うけれども、産業保健は生活に密着したこともより向き合って一緒に考えていけます。それはある意味、医者の本質に触れられる面もあると思うんですよね。産業医も社員さんとかその人の一面だけでなく、生活全体を捉えて考えなきゃいけないことも多くて片手間にできることではないと思います。ぜひ先生方のその専門性を活かしながら「どういったことが活かせるのか」と考えてもらえたらいいなぁと思います。色んな先生がいることで、それだけ産業保健の幅が広がって良い方向に進んでいくと思いますからね。

 

 

産業医の転職にご興味がある先生は是非お問い合わせください!!

■メールでのお問い合わせ
pdh-supportdesk@pasona.co.jp

パソナは一般人材の紹介・派遣・教育研修を通じて企業の経営を支えているだけではありません。企業の「健康経営」をも支えることで社会インフラの構築による社会問題の解決を目指し、産業医をはじめとする医療従事者の紹介事業に力を入れていく方針となっています。 パソナが培ってきた企業網を活かした産業医求人は今後も増えてくる見込みです。

 

編集後記(パソナ・遠藤より)

「すみません!お待たせしましたー!」と小走りに駆けつけていただいたT先生。

午前の仕事を終えた後の昼休みに少しだけお時間をいただき、インタビューしてきました。 「T先生の貴重な休み時間をインタビューに使わせていただいて…」と恐縮していると、

「気の利いたことが言えるかわからないですが、私なんかで良かったら何でもお話します!」

と、積極的にご協力いただきました。日々、産業医として、母として、妻として、猛烈に忙しい日々を過ごされていらっしゃる先生。働く女性の輝いた姿を目の当たりにして、改めて尊敬の念を抱いたのはもちろんのこと、溢れんばかりの元気と勇気とパワーをいただいたインタビューでした。

こちらには書ききれないほど他にも沢山の話お伺いすることができました。次回、インタビュー(後編)として産業保健の現場で携わるT先生のインタビュー記事をお届けいたします。

今後ともパソナをよろしくお願いいたします。

株式会社パソナについて

  • 所在地:東京都千代田区大手町2-6-2
  • 設立:1988年4月
  • 資本金:50億円
  • 役員:南部 靖之 (代表取締役グループ代表)

特集ごとに記事を読む